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なぜ同じことを何回言っても伝わらないのか

「なりたい会社」になるヒント

近ごろ、「社員や部下に同じことを何度も言うけど、意図が伝わらない」「社員や部下に何度も注意したのに、変化がない」というご相談をいただくことがあります。
部下や社員に言っても、言っても、全然、伝わっていない! と日ごろの仕事を通して感じている方も意外と多いのではないでしょうか。

社員や部下が「言われてもやらない」理由は、いくつかありますが、考えられる理由のひとつに、「何から手をつけていいのかわからない」ということがあげられます。

たとえば、社内で「元気がいいあいさつを徹底しましょう」と決めたとします。元気よくあいさつをする、ということは一見、誰でも理解している「常識」のようですが、「どんなときに、何と言えばいいのか」という具体的な内容は、人それぞれの解釈によって異なります。

具体的に決めておく

とくに若い社員との間には世代間のギャップもあって、こちらが当たり前だと思っていることが当たり前でないということもあります。
もちろん、個々人の裁量で対応することも大事ですが、その前に基本となるあいさつを

  • 朝、会社にきたら「おはようございます!」と言う
  • お客さまと社内ですれちがったら「いらっしゃいませ!」と言う

というように、具体的に決めておく必要があるのです。

上司にすれば、「私は部下の裁量に任せている」ということかもしれません。ところが、部下からすると「具体的な指示や命令もなく、すべて丸投げされている!」と憤いきどおっていることも実際にはあるのです。

行動を変えるには、かなりのエネルギーが必要です。行動による変化を望むのであれば、会社側も本人が行動しやすくするための一定の配慮をしなければなりません。

会社が意図するところを具体的に決めないで、本人任せにしているケースはありませんか。

「丸投げ」と感じるか、「任せてもらっている」と感じるかの決定的な違いは、上司と部下との間にコミュニケーションがあるかないか、です。もしもコミュニケーションが少ない場合は、部下は「丸投げされている」と感じているかもしれません。

「丸投げされている」と解釈されないためにも、基本部分は具体的に決めたうえで、個人の裁量に任せるという方法をぜひ意識してみてください。

月刊「ニュートップL.」 2011年3月号
吉川直子(コーチ型人材コンサルタント)


掲載内容は取材当時のものです。
現在の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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