×

記事検索

商品検索

AIDMAの法則で消費者の購入心理をたどるってどういうことですか?

モノを買いたくなる気持ちを分解してみよう!
 

消費者の購入心理をたどるAIDMAの法則

先生はマーフィーの法則って知ってますか?

ええ、もちろん。ビバリーヒルズコップは何度も見ました

エディ・マーフィーじゃないです

ビジネスの世界でも、いろんな法則があるって聞きました。
たとえば、えっと……アイダホポテト?

アイドマの法則ですね

その察しの良さをなぜ、マーフィーに活かせなかったのか


アイドマの法則とは、消費者が物を買うまでの購入心理の流れを表したものです。
通常、アルファベットでAIDMAの法則と表記されます。

購入心理の流れの段階それぞれの頭文字をとって「A・I・D・M・A」というわけです。

「MUGO・ん…色っぽい」みたいなことですか?

工藤静香ではないですねえ

AIDMAの法則とは、これら5つの言葉の頭文字を並べたものです。

  1. ttention(注目・注意)
  2. nterest(興味・関心)
  3. esire(欲求)
  4. emory(記憶)
  5. ction(行動)

このように消費者はなにか物を買うとき、[注目し、興味を持って、欲しいと思ったら、それを記憶し、そして購入という行動に移る]ということです。
この購入心理の流れを、各段階のアルファベット頭文字をとってAIDMAの法則と呼ぶのです。

Attention(注目・注意)

AIDMAの法則の1段階目はAttention(注目・注意)です。
消費者が商品に気づく、商品を知るという段階のことですね。

なにはともあれ商品を知ってもらわないと、どうしようもありません。
ですから企業もプレスリリースを出したり、CMを流したりして、商品に目を向けてもらうわけです。

Interest(興味・関心)

その次の段階がInterest(興味・関心)です。
いくら商品に気づいてもらえても、興味がないものを買ってはくれません。

というわけでAIDMAの法則の2段階目としては「興味を持つ=Interest」になるのです。

AIDMAの法則という観点から見ると、広告に掲載するキャッチコピーは、消費者のInterestを刺激するものだといえるでしょう。

「こんな商品が新発売されたんだな」から「お!これは興味があるな」と思ってもらう流れをここで作ります。

Desire(欲求)

知ってもらって、興味を持ってもらうことでようやく消費者は「欲しい」と思うようになります。
これが3番目のDesire(欲求)です。

ところで「ステーキを売るな、シズルを売れ」という言葉があります。
ステーキを売りたかったら、シズル(sizzle)つまり肉がジュージュー焼ける音を聞かせようというものです。
肉の焼ける音がまさに食“欲”をそそるのですね。

ですから、商品を売りたかったら、お客様の「欲しいと思う理由=シズル」をアピールするのだというわけですが、そう考えると、消費者のDesireへのアプローチはいかにシズルを伝えるかだといえるかもしれませんね。

ちなみにこれは提唱者の名前をとってホイラーの公式と呼ばれています

グレイシー柔術の奥深さを感じさせます

ホイラー・グレイシーではないですねえ

エルマー・ホイラー(1903 – 1968)
10万を超えるセールスフレーズを分析し、1900万人以上の人々に検証。その結果から導き出したセールスのノウハウ、いわゆる「ホイラーの5つの公式」を発見する。この公式をまとめた著書『ステーキを売るな シズルを売れ!』は効果的なセールスのノウハウについて体系的に書かれた本として全米でベストセラーとなる。

ホイラー・グレイシー(1965-)
ブラジリアン柔術家、元総合格闘家。グレイシー柔術の名前とともに、日本の格闘技界でも活躍する。
「ホイラー」で検索するとトップに名前が出てくる。

とはいうものの、衝動買いならいざしらず、「欲しいという欲求(Desire)」が起きたらからといって、必ずしも即購入というわけではありませんよね。

Memory(記憶)

そこで、欲しいと思ったあとの段階としてMemory(記憶)に続きます。
消費者心理としては、その商品のことを覚えている、あるいは思い出すから他でもないその商品を買うのだということなのでしょう。

そこで、販売者の立場からすると、消費者のMemoryに訴えかける施策をとることになります。

たとえばインパクトのあるCMやネーミングは記憶に残りやすいですし、親近感も湧くものです。
CMソングが耳について、店頭でついついその商品を手に取ってしまったということはありませんか?

商品やサービスを資料請求すると、そのとき買わなかったとしても定期的にメールが届くことがありますが、そうやって消費者の記憶に残る・忘れられないようにしていると見ることができます。

Action(行動)

さあ、ここまでたどってようやくAction(行動)に移ります。つまり購入ですね。

とはいえ、黙っていても購入してくれるとは限りません。
ですから、このActionを実現するためのハードルを下げる工夫が必要になるわけです。

たとえば、テレビショッピングで考えてみましょう。
ナビゲーターが言葉巧みに商品を、まさに「注目(Attention)」してもらって「興味(Interest)」を引かせ「欲しい(Desire)」と思わせるプレゼンをします。

プレゼンを聞く視聴者は商品がどんどん欲しくなるわけですが、最後にこんなことを言われませんか。

番組終了後30分以内にお電話いただけると、
さらに○○円引き!

これこそまさにAIDMAの法則でいうAction(行動)を促す呼びかけでしょうね。
この最後のひと押しが「よし、買おう!」「いま、買わなければ!」という気になって、電話してしまうのです。

「30分以内に」というフレーズがAIDMAの法則4段階目の記憶(Memory)が薄れないうちに行動を促していると考えて、それを含めたら、テレビショッピングはまさにAIDMAの法則を1から順に実践していると見えて興味深いところです。

これだけ消費者心理をくすぐられたら、買いたくなりますよね

たしかに! ウチにも高枝切りバサミが50本あります

これからは買ったこともMemoryしておいてくださいね

AIDMAの法則は最初のAから始めなくてもいい

AIDMAの法則には5つの段階があると説明しましたが、毎回Attentionから出発するとは限りません。
定期購入している商品なら、そのたびに注目してもらう必要はありませんからね。

たとえば毎月とか2か月に一回とかいう設定で日用品を定期的に配送してもらえるサービスがあります。
この場合すでに利用している人のActionにフォーカスしてアプローチしていると考えられませんか?
すでに欲しいと思っている商品を補充するという、Actionの手間を省いて自動的に送り届けてくれるようにしているんですね。

ガリガリ君!

え?

ガリガリ君!

どうしました? 教わる言葉を間違えた九官鳥ですか

違いますよ。夏になるとガリガリ君を食べたくなります

おいしいですよね。コーンポタージュ味が大好きです

夏になるとテレビコマーシャルをよく見ますが、ずっと“ガリガリ君”としか言ってないですよね。これってAIDMAの法則でいうMemoryに訴えかけてるんじゃないですか?

赤城乳業株式会社 公式YouTubeチャンネル

なるほど、たしかにそうとも考えられますね。
本当のところどんなマーケティング戦略によるのか存じませんが、みんな知っている商品ですし、味も確かですから、夏になったら思い出してもらうことがキーポイントだということでしょうか

夏はガリガリ君、冬は雪見だいふく。これは鉄板です!

たしかなブランド力があればこそ、ですね

記憶(Memory)ではなく確信(Conviction)を得て、商品を買う!

ちなみにAIDMAのMをCに置き換えたAIDCA(アイドカ)というのもあります

この場合のCはConviction(確信)を表します。

  1. ttention(注目・注意)
  2. nterest(興味・関心)
  3. esire(欲求)
  4. Conviction(確信)
  5. ction(行動)

「これに決めた!」と思えるような確信が得られて初めて購入に至るというわけです。

エビデンス(証拠)がある、お墨付きがあるというのも確信を抱かせてくれる要素でしょう。
たとえば、不織布マスクを買うとき、何も表示がないものに比べて「PFE99%カット」と書いてある方が安心しますよね。

ネットショッピングだと実物を手に取ることができない分、口コミの評価が重視されますから、評価が高いと「これなら間違いない」と確信できるのでしょうね。

ネット時代の法則:AISAS

そうそう、ネットショッピングといえば、みんながインターネットを使うことで消費者行動も変わってきました。そこでAIDMAではなくAISAS(アイサス)という考え方が提唱されています

パソコンですか?

それはASUS

ところでASUSって何て読むんですか? エイサス? アスス?

ASUS

AISASとは、次の5つの言葉の頭文字をとったものです。

  1. ttention(注目・注意)
  2. nterest(興味・関心)
  3. earch(検索)
  4. ction(行動)
  5. hare(共有)

注目(Attention)して興味(Interest)を持つというのは一緒ですが、その次からが違います。

AISASのS(1)=Search(検索)

興味を持ったら、パソコンなりスマホなりを使ってSearch(検索)するんですね。

これはあえて説明しなくても実感として理解できるのではないでしょうか。
みなさんスマホを持っているので外出先でも簡単に検索できますしね。

販売者側から見れば、検索に引っかからないといけないわけですから、ホームページを充実させたり、SEO対策をして検索上位に表示させたりという努力が必要になります。

検索して次にActionに移ります。

AISASのS(2)=Share(共有)

ところが「買って終わり」ではなくて、最後の段階としてもうひとつShare(共有)があるというのがAISASの面白いところです。

さきほども口コミを見るという話をしましたが、商品レビューを書いたり、SNSに投稿したりして、購入した商品をまさにシェアするというわけです。

口コミサイトという言葉があるように、いまや商品だけでなく飲食店、ホテル、病院、会社まで、たくさんの情報がShareされています。
それだけShareという行為が一般的になったのかもしれませんね。

AISASはAIDMAに比べると「検索して、買って、共有する」という消費者の自発性が顕著ですね。

まとめ

AIDMAの法則のように消費者の購入心理の流れを表す法則は広く使われています

ここで紹介した3つ以外にもいろいろな表現があります。
識者によっては「このアプローチは古い」「最新の法則はこれだ」という見解もあるようです

とはいえ、まずはベーシックなAIDMAの法則に照らして、ひとつひとつの段階でどうアプローチできるのかを考えてみるのも面白いのではないでしょうか

わかりました! 自分で何ができるか考えてみますね 


おやおや、読書ですか?

AIDMAの法則を教えてもらったので『マンガでわかる キャッチコピー力の基本』で、どうやってお客様のInterestを刺激できるか勉強中です!

マンガでわかる キャッチコピー力の基本

それはそれは。私の話がお役に立てばなによりです。

いつかは売れっ子コピーライターに!

その意気や良し!

マーケティングで市場を動かすってどういうことですか?

お買い物カゴに追加しました。