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会社の安全性の指標のひとつ、自己資本比率とは

貸借対照表から調べる安全性分析
 

自己資本比率とは

ここでは「自己資本比率」を見ていきましょう。
自己資本比率も会社が安全に経営されているかどうかを知る指標です。

自己資本比率=自己資本÷総資本(負債+純資産)×100(%)

厳密な定義はともかく、さしあたりまずは純資産を自己資本と考えてください。

自己資本比率とは、つまり貸借対照表の右側、負債と純資産の合計に対して、自己資本(ここでは純資産)がどれくらい占めているか、その割合を表します。

負債※と違い、自己資本は返済する必要のないお金ですから、自己資本比率が高いほど(資金面での)会社の体力は高いといえるでしょう。
※負債は銀行からの借り入れのように、他社から調達するので他人資本ともいいます。

自己資本比率を計算してみよう

それでは自己資本比率について、以下の貸借対照表をもとに計算してみましょう。

貸借対照表

この貸借対照表を簡略化すると次の通りになります。
ここから自己資本比率を計算するために、まず負債と純資産の額を確認します。

資産 負債

流動資産 1,440
固定資産 1,250

流動負債 950
固定負債 900

純資産
純資産 840

では、自己資本比率を計算してみましょう。

自己資本比率=自己資本840÷負債・純資産合計2,690×100(%)=31%

業種ごとの自己資本比率

業種別の自己資本比率を比較してみましょう。
なお、ここでは純資産を自己資本としています。

業種自己資本比率
全業種44%
建設業42%
製造業47%
情報通信業57%
運輸業、郵便業35%
卸売業39%
小売業33%
不動産業、物品賃貸業36%
学術研究、専門・技術サービス業76%
宿泊業、飲食サービス業16%
生活関連サービス業、娯楽業38%
サービス業(他に分類されないもの)47%
政府統計の総合窓口(e-Stat)中小企業実態基本調査:令和2年確報(令和元年度決算実績)から作成
※業種ごとに、負債および純資産の総額から算出

このように、自己資本比率は業種の特性によって大きく異なります。
極端な例ですと、銀行の自己資本比率は高くても20%ですし、自己資本比率10%どころか一桁ということも珍しくありません。

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