労働契約を結ぶときの注意点は?
ポイント
契約期間途中での解約には損害賠償の問題が生じることがあります。
期間を定めるときは最長3年が原則
「労働契約」とは、労働者が一定の労働条件のもとで労務を提供し、使用者はその対価として一定の賃金を支払うことを労使双方で合意した契約のことです。これを、「有償双務契約」といいます。
労働契約には、期間の定めのあるものと、定めのないものがあります。
期間の定めのある場合は、期間の途中での解約は、やむを得ない理由がない限り認められず、債務不履行として損害賠償の問題が生じますが、期間が満了すれば、その契約は自動的に終了することになります。
また、期間の定めのある労働契約を締結する場合、その期間は原則として最長で3年とされています(労基法14条)。
3年超の期間を定めることができる例外規定
しかし、次のような場合は、例外として3年を超える労働契約を締結することが認められています。
- 一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの(労基法14条)
- 職業訓練のために必要がある場合(労基法70条)
- 契約期間の上限を5年に延長することができる次の場合
・厚生労働大臣が定める基準に該当する高度の専門的知識、技術または経験を有する労働者が当該専門的知識等を必要とする業務に就く場合
・満60歳以上の者との間に締結される労働契約
なお、有期労働契約の締結、更新および雇止めについては基準が策定されており、特に更新後の雇止めに関しては1年を超える契約期間を定めた場合でも、一定の場合を除き、契約期間の初日から1年を経過した日以後いつでも退職は可能とされています。
企業実務サポートクラブ
佐藤広一(社会保険労務士)