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無理なく着こなし好印象! ディテールを活かしたスーツの装い方

手持ちのアイテムだけで印象が変わるかも?
 

スーツを着こなすのにセンスが必要とは限りません。

もちろん目を養うのも大切なことですが、ちょっとしたポイントを押さえることで人に好印象を与えられるようになります。

ここではスーツのディテールに着目し、視覚効果を狙ったポイントを4点ご紹介します。

ジャケットのゴージラインで目線を上げる

ジャケットの襟(カラー)から続いて下に付く部分をラペル(下襟)といいます。

ゴージライン

カラーとラペルの境にある縫い目がゴージラインです。

このゴージラインの位置は時代によって上寄りになったり下寄りになったりします。

どれが正解というわけでもありませんが、昔のスーツだと概してゴージラインが低い位置にあり、ラインも急傾斜になっていることがあります。
見る人が見れば、いささか古めかしい印象を与えることがあるかもしれません。

たかだか縫い目のようでもその時々のトレンドを反映しているゴージラインですが、このラインの位置を高くすることで自分を演出することができます。

どういうことかというと、ゴージラインが高いと相手の目線が上に向くので、胸を張って堂々とした印象を与えるのです。

たとえば大事なプレゼンの日にはお手持ちのスーツのなかからゴージラインの位置が高めのものを選んでみてはいかがでしょう。

ただし、ゴージラインの位置があまり高すぎると胸を張るどころか、ふんぞり返っているように見えかねないのでほどほどにしておきましょう。

ところでアニメなどでスーツ姿の人物を見ると、このゴージラインがワイシャツの襟よりもかなり下にあるのを見かけますが、現実にはゴージラインはワイシャツの襟より上にないといけません。
(意識しなくても、そこまでゴージラインが下がることはまずありませんが)

スラックスにプリーツを入れて脚長効果!

ここ数年のトレンドとして、量販店に見られる既製品でもプリーツ(タックという方がわかりやすいでしょうか)の入ったスラックスがひろく流通するようになったように思います。

プリーツとはもともと「ひだ」を指す言葉で、スカートなどによくみられる加工です。
スラックスを正面から見て縦に入った折り目(クリース)がベルトの下のところまで真っすぐ入っているものというとイメージしやすいでしょうか。

プリーツ

このプリーツが入っていると期待できる効果があります。

それは脚長効果です。

スラックスにプリーツを入れると折り目の縦の線が強調されます。
そうするとノープリーツ(プリーツの入っていないスラックス)のものよりも折り目が上に向かって長くなる分、脚が長く見える効果があります。

なおツープリーツだと、ひだの入った線がふたつ横に並ぶので、少しふっくらして見える場合があり、腰回りが太く見えるかもしれません。

ご興味のある方は実際に試着してご確認ください。

ネクタイにディンプル(くぼみ)を入れて立体感を演出

ディンプルとはネクタイを結ぶとき、結び目の下に入れるくぼみのことです。

ネクタイ

ネクタイにディンプルを入れる効果は立体感です。

和服は平面で考える一方、洋服は立体で考えるといわれます。
(着物と洋服それぞれのたたみ方・展示の仕方を考えると、そうかもしれませんね)

そこで凹凸をつくることで立体的に見せる工夫がされているということです。
ネクタイのディンプルしかり、ポケットチーフしかり。

日本ではあまりネクタイにディンプルを入れようと声高に言われませんが、このようなところに違いがみられるのかもしれませんね。

もちろん、あえてディンプルは作らないという選択肢もあります。

好みの問題ではありますが、ポケットチーフは気恥ずかしいと思われる方も、ネクタイのディンプルから意識してみてはいかがでしょうか。

なお、ディンプルは装飾のためのテクニックなので、弔事にはしないほうがよさそうです。

ストライプ柄のスーツで太って見えることも?

ストライプ柄のスーツはよく目にするデザインです。

ドットをつなげたような細かい点の連続した「ピンストライプ」や、チョークで線を引いたような「チョークストライプ」など種類もいろいろありますが、このストライプの間隔に注目したことはありますか。

ストライプスーツ

ストライプの間隔が広い方が狭いものに比べて堂々として映るなどともいわれますが、ふくよかな体型の方はこの間隔を意識してみてください。

ストライプの間隔が狭いとストライプの数が多い分、1本1本の線を追うのに目線がずっと横に動きます。
そうすると錯視つまり目の錯覚によって、どこまでも続いているように見えてしまいます。

左右の幅が強く意識されるので、体型まで横幅が広く見えてしまい、より太って見えてしまうというわけです。

程度の問題ではありますが、ストライプ柄のスーツを購入するときは、ご自分の体形とストライプの間隔を意識して試着してみてはいかがでしょうか。

ちなみにスーツもワイシャツもストライプ柄を選んだ場合、ストライプの間隔がそろっているとチカチカして映ります。
ストライプ柄を合わせる場合は、スーツとシャツでそれぞれのストライプの間隔を変えるとよいでしょう(ネクタイでも同じことがいえます)。

あるいは、いっそのことストライプ柄のスーツを着るときはワイシャツを無地にしておく方が無難です。

視覚効果を見直してみる

ショーン・コネリーは映画「007」でジェームズ・ボンドを演じるにあたり、スーツが着なじむよう、寝るときもスーツで過ごすよう監督から指示を受けたという逸話があります。

また俳優でもありダンサーでもあったフレッド・アステアは新品のスーツを壁に叩きつけるなどして、なじませてから着用したともいわれています。
※ダンスでマイケル・ジャクソンから、ファッションでラルフ・ローレンから尊敬されるという稀有な方でもあります。

わたしたちが普段そこまでする必要はありませんが、今回ご紹介したのはいずれも視覚に訴えることにより効果を期待するもので、特別なテクニックやセンスはいりません。

「目の錯覚なんて」と思うかもしれませんが、わたしたちの目は案外だまされやすいものです。

たとえばこの3つの図をご覧ください。

目の錯覚

有名な錯視例なのでご存じの方もおられるかもしれませんが、

  1. ミュラー・リヤー錯視
    横に引いた直線の長さは上下ともに同じだが、下の直線の方が長く見える
  2. 正方形・ダイヤモンド形錯視
    同じ大きさの正方形だが、45度傾けた方(右側)が大きく見える
  3. フィック錯視
    縦の棒と横の棒は同じ長さだが、縦の棒の方が長く見える

という錯視です。

こうしてみるとちょっとした効果でも、与える印象が変わるとは思えませんか?

新たに買いそろえなくても、少し意識して、お手持ちのものを組み合わせることでよい印象を与える着こなしもできそうですね。


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