企業が実施するべきシニア研修の目的と企画構成
人生100年時代に向けた社員の活用を!高齢者雇用が進むなか、最近はシニア研修※を開催する企業が増えています。
筆者も講師をする機会が年々増え、多業種にわたり実績を積んでいます。
※シニアデザイン研修など企業によって名称が異なります。以後シニア研修という。
では、いったいシニア研修とはどういうものなのでしょう。
ここからは筆者が企画・講師をしているシニア研修について述べていきます。
参考にしていただければと思います。
シニア研修の目的
かつて、50代にさしかかった社員に向けた、「黄昏(たそがれ)研修」なるものがありました。
要は定年退職を控えた社員に対して「長い間、会社員ご苦労様。あとは元気で自分でしっかりね」というような内容で行う研修です。
でも今や人生100年! 生涯現役!です。
よって、現在行うシニア研修は趣旨がまったく異なります。
今日のシニア研修では、定年後再雇用した後の働き方やリタイア後の生活設計のアドバイスなどを総合的に考えてもらいます。
シニア研修の構成
つまり、現在のシニア研修とは、トータルリタイアメントライフプランの設計および情報提供をする研修のことをいいます。
そして、トータルリタイアメントライフプランは次の3つをデザインすることを検討します。
- キャリアデザイン
60歳で定年を迎えてもそのまま会社員を続けるならば、シニア社員として会社が期待する役割を理解してもらう必要があります。 - ファイナンシャルデザイン
老後を見据えて年金のしくみを理解してもらったり、資産運用を学んでもらったりします。 - ライフスタイルデザイン
さらに、会社員とは異なる生き方を選択することも含め、みずからが立てた目標に向かい、イキイキハッピーな人生を送るために、今、何を考え、その実現のために何をするかも考えてもらいます。
シニア研修はいつ実施するのか
シニア研修はたんに仕事のことだけでなく、社員一人ひとりに充実した人生を過ごす準備を開始するための終日研修です。
そのため、リタイア後のライフプランをそろそろ考えるであろう、50歳~54歳社員参加の設定が多いようです。
しかしながら、シニア研修は従来のように「これで終わり」の研修ではありません。
この他に、60歳定年直前、65歳再雇用終了直前で、研修を実施します。
これらは研修受講者の年齢に合わせて、年金やその時点で必要とされる諸手続きなどを中心に実施します。
それぞれ2時間程度の時間をとって研修を行います。
社会保険労務士法人YWOO代表。特定社会保険労務士、上級個人情報保護士、日本年金学会正会員、年金アドバイザー、FP、生損保資格試験合格など資格多数保有。
損害保険業、人材派遣業を経て、2006年人事労務コンサルティングを中心に活動するYWOO株式会社を、その後2016年社会保険労務士法人YWOOを設立。企業の人事労務コンサルを行う。同時に、年金・高齢者活用・多様な働き方、人材活用・社会保険・給与計算・助成金・マイナンバー等幅広いカテゴリーのセミナーに加え、セカンドライフセミナー・キャリアチェンジ&マインドチェンジ等の企業研修を全国展開で開催中。企業の人事労務担当者の育成、執筆、バックオフィスアウトソース受託業務も行う。